テトラビブロス

テトラビブロス(四書)

1 tetrabiblos

第一巻

第一章: 序文
第二章: 知識は特定の程度まで、天文学によって得られるでしょう
第三章: 先見は便利です
第四章: 惑星的な球体の影響
第五章: 吉と凶
第六章: 男性と女性
第七章: 日中と夜間
第八章: 太陽に関する位置の影響
第九章: 固定化(fixed)された星々の影響
第十章: ゾディアックの北の星座
第十一章: ゾディアックの南の星座
第十二章: 一年の季節
第十三章: 四つの角度の影響
第十四章: 夏至冬至、春分秋分、そして有形無形のサイン
第十五章: 男性的と女性的なサイン
第十六章: サインの相互関係の配置
第十七章: 命令していて、従っているサイン
第十八章: 同等の力でお互いを見ているサイン
第十九章: 連動していない(五点形の)サイン
第二十章: それぞれの惑星のハウス
第二十一章: 三重性
第二十二章: 昇進(exaltations)
第二十三章: 用語の性質
第二十五章: 全ての惑星の場所と角度
第二十六章: 顔、二輪馬車、そして惑星のその他の類似した特徴
第二十七章: 応用、分離、そしてその他の能力

第二巻

第一章: その題材の一般的な分類
第二章: 全ての全体的な気候を通して観測可能な特性
第三章: 三重性とそれぞれの惑星と共に親しみのある地球の地域
第四章: 固定化された星々と共に親しみのある地球の地域
第五章: 日月食における特定の先見の分類
第六章: 出来事において理解されるために関係すると考えられる地域、または国々
第七章: 出来事の時間と期間
第八章: 影響されるであろう分類、階級、または種類
第九章: 効果の性質と本質
第十章: 日月食、彗星、そしてその他の現象の色
第十一章: その年の新月
第十二章: それによって大気の異なった構成要素が産出されるサインの特定の本質
第十三章: 大気の特定の構成要素のための考慮の分類
第十四章: 隕石の重要性

第三巻

第一章: 序文
第二章: それによって後者の出来事において動物が子宮を出て、そして存在のもう一つの状態に成る、受胎と分娩、または出産
第三章: 上昇している(ascending)角度
第四章: 誕生日の星座の教義の配分
第五章: 両親
第六章: 兄弟と姉妹
第七章: 男性または女性
第八章: 双子
第九章: 怪物的、または奇形的な誕生
第十章: 育てられなかった子供達
第十一章: 寿命
第十二章: 停止的(prorogatory)な場所
第十三章: 停止させるもの(prorogator)の数、そしてまた運の一部
第十四章: 停止の分類の数
第十五章: 適例
第十六章: 体の形状と気性
第十七章: 体の痛み、怪我、そして病気
第十八章: マインドの質
第十九章: マインドの病気

第四巻

第一章: 序文
第二章: 金運
第三章: 社会階級の運
第四章: 雇用の質
第五章: 婚姻
第六章: 子供達
第七章: 友人達と敵達
第八章: 旅
第九章: 死の種類
第十章: 時間の期間的な分別

追加付録

1.アルマゲスト;第七巻、第四章
2.アルマゲスト;第二巻、第九章からの引用:上昇(アセンション)によって監督された状況
3.彼の四書の果実と呼ばれた、クラウディオ・プトレマイオスの百の名言集
4.ゾディアック的な平面球体

☆ ★ ☆ ★

クラウディオス・プトレマイオスは、紀元73年頃ギリシャのプトレマイオス・ヘルミイで、エジプト最後の王朝プトレマイオス朝の王家の末裔の一人として生を受けた。生涯の大半をアレキサンドリアで過ごした。カノープスの神殿で天体観測を行い、図書館で死蔵されていたギリシャ天文学書を調査し、これを体系化させた。そして、151年に78歳で死去している。

大著「アルマゲスト(原題マセマティックス・シンタクシス)」や「コスモグラフィア」により、天文学史や地理学史に普及の名を残している学者。天動説の大成者。プトレマイオス王朝の滅亡によって、忘れ去られかけたギリシャ天文学の研究成果を集大成し後世に残した偉大な学者。

だが、ここでは一般的に知られている天文学者としての彼ではなく、占星術師としての側面について語りたい。

実際、彼は「西洋占星術の父」と呼ばれることもある。

彼の占星術における最大の業績は「テトラビブロス」を書いたことにある。これは題名通り4部から成る書であり、「アルマゲスト」の天体観測と「コスモグラフィア」の地理学を基本において、時間と空間による未来予測を体系化している。

ちょうど「アルマゲスト」がヒッパルコスの仕事を土台に、「コスモグラフィア」がティレ・マリヌスの仕事を土台にしているように、この「テトラビブロス」も実は紀元前のストア学者で占星術師のポセイドニオスの仕事を土台にしている。いわば、この書はカルデア・エジプトの占星術の集大成的な書である。

プトレマイオスは、過去の先達達の知識を集大成を得意とし、独創性というものは少ないと良く指摘される。無論、彼は実に熱心に天体観測を行ったが、過去の先達達が積み上げて来た成果を整理して後世に伝えることにも熱心であった。

「テトラビブロス(4つの書)」は、「アルマゲスト」や「コスモグラフィア」の後に書かれた書であり、彼のパトロン、シュロスに捧げられている。プトレマイオス自身の定義によると、「テトラビブロス」は「アルマゲスト」に基づく数学の書であるという。言ってみれば、「アルマゲスト」が第1巻であり、「テトラビブロス」は2巻にあたる書物なのである。彼は、ある意味、数学魔術(i.e. 数秘術)の信望者でもあった。

すなわち、この書において彼は、先達ポセイドニオスの学説を支持したのである。占星術は、鳥占い、内臓占い、夢占いとは別種の占いであるとした。これは、神意を聞く類のものではなく、宇宙の法則を知り、数学的な計算によって行われるものだと強調したのである。

一部の学者には、占星術を憎むあまり(苦笑)、「テトラビブロス」をプトレマイオスの晩年の迷い・ボケの産物と決め付ける無茶な主張をする人がいる。これは、占星術と天文学の明確な区別の無かった当時の時代背景を見落としているだけではなく、プトレマイオスの哲学をもあまりに無視した見解であろう。「テトラビブロス」の視点に立てば、むしろ「アルマゲスト」と「コスモグラフィア」は、その土台となる書である。この3著は互いに照応しあい、どれか1つを軽視すると、プトレマイオスの哲学の理解は絶対に不可能なのだ。

「テトラビブロス」の第1部は、惑星、恒星、星座の関係において述べられたものである。そこでは天体と四大との関係についても解説されている。また、方角や季節等についても、同様に四大との照応関係が解説されている。

例えば、太陽は勿論「温」と「乾」であり「火」。

月は地球に近いがゆえに海や川からの蒸気の影響を受けるので「湿」である。また、太陽からの光を受けるため若干「温」となる(ゆえに「湿」と「温」であり、「水」となる)。

土星は太陽から最も遠く「温」が不足し、地球からも最も遠いので海からの蒸発の影響を受けないので「湿」が不足する(ゆえに、「冷」と「乾」で「土」となる)。

金星や月のような「湿」の性質を持つ惑星は女性的であり、太陽、土星、木星、火星は男性的である。しかし、水星は太陽と月に近く、中途半端に「湿」の性質を帯びているため、両性具有者である。このような基礎的論が展開される。

また、ここにおいてはアスペクトの解説も成されている。もっともプトレマイオスは4種類のアスペクトしか認めておらず、現在の占星術で最も重視されるコンジャクションは認められてない。

また、この時代のアスペクトは精密な惑星同士の角度ではなく、その惑星が居る星座同士の角度でもって用いられる(これは、当時の天文学の水準からみても止むを得ないであろう)。

2部においては、惑星が地上に及ぼす影響について述べられる。

まず、地上はヨーロッパ、アジア、北アジア、アフリカに4分割される。そして、これらの地域に十二宮が照応する。例えば牡牛座はペルシャ、双子座はアルメニア、牡羊座はブリテン、ゴール、ゲルマニアといった具合である。

もっとも、これは「コスモグラフィア」の古い世界観と同一であるため、現代から見ると、そのままでは使用は出来ないであろう。既に滅びた国の記載が多くあるのは別にしても、新大陸や極東、ロシアに関する記述は無い。

しかし、この照応は、土地と天体との関係を重視するという、基本的ルールが説かれたものであり、そういった意味では極めて重要であろう。

ちなみに、現代の占星術では、アメリカは双子座、中国は蟹座、ロシアは水瓶座、日本は天秤座と照応させるのが定説のようである。

プトレマイオスは、天体と土地の関係を正しく掌握すれば、戦乱や天災、疫病の流行が、どの土地で起こるか予測できるとした。

しかし、何よりも重要なのは、やはり第3部と第4部であろう。

ここにおいて、個人を占うための占星術が解説されているのである。今、我々が見ているホロスコープの原型が、ここにあるのである。特にハウス、サインの象意の原型が、これによって確定したとも言われることもある。

特に重要なのが、獣帯(ゾディアック)の扱いである。プトレマイオスは獣帯を30度づつ十二分割した。そして、いわゆる春分点を、牡羊座の0度すなわち獣帯の起点とすることを強く説いたのである。無論、彼は春分点歳差は充分知っていた。春分点は少しづつ後退し、今では獣帯の起点たる牡羊座0度は、本来の場所には無い。こうした方式は、トロピカル方式(移動十二宮方式)と呼ばれ、各サインが実際の星座の位置と一致するサイデリアル方式とは区別される。そして、現代の占星術師のほとんどは、このプトレマイオスが唱えたトロピカル方式を用いているのである(一部の占星術師やヒンズー占星術ではサイデリアル方式を取る)。

現代の占星術師が、この3~4巻を読めば、穴だらけであると思うかもしれない。しかし、同時に、西洋占星術の基礎が、まさにこの本によって決定されたことにも気づくであろう。

マニリウスの「アストロノミコン」がラテン語で書かれたのに対し、この「テトラビブロス」はギリシャ語で書かれた。その結果、この書はギリシャの新プラトン主義者達によって、非常に重視された。特にプロティノスの高弟ポリピュロスは、この書の注釈すら行っている。また、プロクロスも同様に注釈を行っている。

この書は、ギリシャ語からシリア語に訳された。やがて、9世紀に入ってイサク・ベン・フナインによってアラビヤ語に訳された。ちなみに現存する最古の写本は、このアラビヤ語の本である。これが1138年にプラト・ティブリティヌスによってラテン語に訳された。ご多分に漏れず、この書はイスラム圏を経由してヨーロッパに逆輸入されたわけである。

この書が大きく注目を集めるのは、ルネサンスに入ってからである。カルダーノはアラビヤ語本の原本とラテン語本をテキストにして注釈を書いた。キリスト教神秘主義者のメランヒトンは、プロクロスの注釈本をテキストにして、翻訳を行った。

自然魔術やヘルメス哲学を奉じる者にとって、マクロコスモスとミクロコスモスの照応を考察するのに、占星術は欠かせない思想でもあったのだから、当然といえば当然である。
http://www5e.biglobe.ne.jp/~occultyo/uranai/putoremaiosu.htm

★ ☆ ★ ☆

プトレマイオスは占星術師ではなかったと言ったら驚くだろうか。 たしかにこれまでに出版された占星術のテキストのなかで『テトラビブロス』ほどのロングセラーはないし、占星術に興味のない人ですらプトレマイオスの名前は知っている。 しかし、これは古代ギリシア・ローマの占星術を様々な角度から研究してきた私の結論である。

まず、プトレマイオスを含むギリシア・ローマのテキストを、時代を追って読んでみると、『テトラビブロス』の時代になって基底にある理論にやや変化があることがわかる。 大筋では同じなのだが、細かい部分でプトレマイオスはそれまでにあった占星術の理論とは異なる事柄を述べている。

この事実だけを考えるなら、プトレマイオスの時代に占星術が様変わりしたと言えなくもないのだが、『テトラビブロス』より後の時代のテキストを読むと、また『テトラビブロス』以前の理論に戻っているのである。 これはドロセウス(1世紀)、プトレマイオス(2世紀)、ファーミカス(4世紀)の3冊を比較するだけで確認できる。 さらにベッティウス・バレンスやポーラス・アレキサンドリヌス(パウロス)とも比較すれば、『テトラビブロス』のみが特殊であることがよりはっきりとするだろう。

またプトレマイオスは、他の占星術師と比べて、以下の事柄に関する説明を省略している。

ホラリー占星術
パートオブフォーチューン以外のアラビックパート
天体が各サイン/ハウスにあるときの効果
天体間に形成されるアスペクトの効果

なぜプトレマイオスだけが異なる理論を唱え、当時の占星術テキストなら当然あるべき重要な事柄をその著書から省略したのだろうか。

『テトラビブロス』Book IIIの第1節で、プトレマイオスは次のように述べている。 (現代日本語にするため多少意訳したが原文の意図は正確に伝えているはずだ。)

古典的な未来予知の技法は、多岐にわたり、ほとんど無限とも言える、すべての天体の組み合わせを考慮する必要があるため、そのすべてを説明することはできない。(中略) さらに、その使用方法や実践が難しいものについては説明を省略する。

プトレマイオスが占星術師だったとしたら、彼よりも前の時代の占星術師たちがそうしたように、きちんと説明すればいいのだ。 省略したのは『テトラビブロス』が初心者向けだったからという説もあるが、私は、単にプトレマイオス自身が他人に説明できるほど占星術を理解していなかったためだと考える。

たとえば、”The Crime of Cladius Ptolemy”(Johns Hopkins University Press)においてロバート・ニュートンは、『アルマゲスト』にある恒星のリストはプトレマイオス自身の観測によるものではなく、ヒッパルコスのカタログに記載された恒星の位置に歳差を考慮した一定の度数を足しただけのものであることを指摘している。 これはプトレマイオスが天文学者ですらなかったことを示唆するものである。 (事実、ロバート・ニュートンはそう断言している。)

また、プトレマイオスは占星術や天文学だけでなく、地理学や光学についての著書もある。 プトレマイオスが博学な人だったと言えばそれまでだが、プトレマイオスは単なる「科学ライター」であり、『テトラビブロス』は占星術師ではないライターが自身の見解を加えつつ、一般大衆に占星術を説明したものと見る方がぴったりとくる。

クォリファイング・ホラリー・ディプロマ・コースで『テトラビブロス』をテキストとして取り上げているのは、占星術の歴史やパートオブフォーチューンに関するレッスンにおいてであり、簡単に手に入る本であり、ウィリアム・リリーが頻繁に引用しているからである。 しかしながら、「プトレマイオスの説明はすべてにおいて極端に短い」とリリーが嘆いているように、物足りなさがあるのは否めない。 『テトラビブロス』を読んだだけで古代ギリシア占星術の全貌を知ることも、古典占星術について語ることもできないのである。
http://www.kokubu.com/astrology/ptolemy.htm

クラウディオス・プトレマイオス

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